参加しようとすると中止になるという謎のジンクスを打破して、第64回パールレースに参加。前回参加は9年前、TYCのContinue Ⅱ <X-35OD>で夜中に40kts以上の爆風で、全力疾走した記憶が。35ft艇で24時間を切る勢いでフィニッシュしていました。2回目はKYCのτ Draconis <Xp-44>での参加。新西宮ヨットハーバーかた五ヶ所湾のVOC志摩ヨットハーバーまで艇を回航したものの、台風が接近した為レースは中止に、VOCから沼島を経由してKYCに戻るクルージングの旅になってしまいました。
3回目の参戦になる今年は、逗子マリーナのConstellation <IMX-40>で参加。軒並みX-Yachtsばかりなのはご愛嬌。
こんな所にマリーナがあるのかと思うような道を進んだ先にある伊勢志摩マリーナ(旧VOC志摩ヨットハーバー)。スタート前日に志摩入りして、最後の買い出しと艇の準備。当初の予報では20ktsオーバーの追手の風予報だったのが、絶妙なタイミングで発生した台風の影響もあって、10kts〜15ktsの風が深夜まで続くものの、2日目未明から風が無くなる予報に変わってしまったので、フィニッシュまで30〜35時間程度かかる可能性が出てきた。それも踏まえてのナビゲーションを検討すると、布施田水道南方沖の仮想マークから伊豆諸島利島までのラムラインに対して北側を帆走り、遠州灘沖で渦を巻いている黒潮の反流を使って伊豆半島の南付近まで流されていくプランに決定。
スタートから夜までは絶好調
7月28日 11:00分のスタートはゼネラルリコールで仕切り直し。15分遅れでスタートした50艇のフリートは仮想マークを回って一路利島へ、夜中に風が落ちることを想定して、静岡沿岸よりを狙う艇が大多数。思惑はおおかた皆同じ。外洋に出て行くと海は青一色。クローズリーチからアビームのウインドアングルで特に何もすること無し。風が無くなるまでに可能な限り東へ進もうということで、激走してました。
WOYCからはSiesta <First-40.7>がダブルハンドクラスに参加、マリーナシティヨット倶楽部のNofuzo <Sydney GTS-43 Mod>の2艇が和歌山から参加しました。
夜中、風止まる
日没が過ぎても快調に艇を進め、このまま風が落ちずに利島を回れるんじゃないかという希望的観測を抱いていたまま、3時のワッチオフで仮眠に入る目が覚めて再びデッキに出た頃には日出直前で、ワッチオフ直前に確認した現在ちから10nmも進んでいない。3時間近く寝ていたはずなのに・・・
ここから地獄の始まりで、対水スピードが0ktsよくて0.5ktsの状態が10時間以上続く。唯一の救いが黒潮の反流が2〜3ktsある為、一応は利島の方向に3ktsで進んでいる。
しかし、風速が上がっても潮で流されるスピードの方が速い為、セールが風を受けることはない。ただ、潮の分のアパレントウインドが発生しているため、対水もメーターが反応するほどではないが出ているようでした。
利島回航
2日目(30日)の13時ごろから、待ちに待った南西の風が吹き込んできた。まだ風は弱いものの無いよりマシ。潮の影響でセールとりむが大変な状態であることに変わりはないが、対水スピードは5ktsを超え始め、潮を考慮すると対地は8kts。スタートから26時間ほど掛けて、利島を回航しました。
最終セクション相模湾へ
伊豆大島の西を通過し、パールレース最終セクションは日のある内のフィニッシュは叶わなかったものの、伊豆半島に沈む夕日を眺めながら相模湾を北上。
江ノ島へのフィニッシュは20時59分24秒、33時間44分24秒の所要時間でした。
フィニッシュ後セールを片付けそのままホームポートの逗子マリーナへ回航。江ノ島から1時間ほどの距離の場所なので、帰りの回航は一瞬でした。
オンボード写真集
Photo by A.Doujyougawa, R.Hayashida, H.Sato, Y.Fujinaga