梅雨が明けるか否か、なんとも言えない時期に開催される様になった座間味レース。今年は1週間早い日程が指定されたので、確実に梅雨明けしてないだろう。と、案の定天気予報は雨、雨、雨・・・。滞在期間中ずっと雨らしい。ということで、青い海と空を見られない覚悟で沖縄宜野湾港マリーナに足を運ぶ。
5年前から、Altairの山本オーナーが宜野湾港マリーナにあったJ/29を購入されたのをきっかけに沖縄でもセーリングを楽しめる環境ができ、毎年6月下旬のそろそろ梅雨明けするかな?くらいの時期に開催される座間味レースをメインイベントに。その他、伊江島や久米島に渡るレースにも参加を検討しています。
レースの2日前に沖縄に渡ってレースの準備。何しろ1年ぶりで、抽選に漏れてチービシデイクルージングに予定を変更した昨年以来ということになる。レースは4年ぶりなので色々と問題が出てくる。昨年、やばいなぁと思っていたストロングトラックの剥離がさらに進行していて、20kts前後の風が吹くとされている今年のレースにそのまま出ると絶対に事故を起こす。ということで、トラックを外そうと固定ボルトを外すためにガチャガチャやっている最中にトラック本体が折れるという始末。外して正解でしたねぇ。
沖縄の強烈な紫外線に曝される樹脂製のトラックは、傷むスピードもやっぱり早い。スライダーが合わないので、予備で置いてあったボルトロープ仕様のメインセールをセットしてみるとサイズが全然合わない。Eが完全に長く、おそらくPもかなりオーバーしてそう。
何のセールやねんとボヤきながら他のセールをみると、スライダーがマストのグルーブに合わず、揚げられるセールが無い。こうなったらいよいよ危うくなってくる。関西ならグルーブに合うスライダーを買ってきて付け替えるくらい1日あったら余裕で終わるのだが、沖縄にそのてのバーツが手に入る場所があるわけでもなく。
万事休すで現地のコーディネーターに相談してみる。今あるセールのスライダーを撤去して・・・というのも検討したが、ベルト用の鳩目がボルトロープギリギリに取り付けられていて、グルーブに通る保証がない。だったら、30ftクラス用の古いセールが1枚あるのでそれを貸してくれる。とのありがたい申し出。ただ、サイズが合うか分からないから一回合わせてみようとのことで、倉庫からセールを引っ張り出してブーム時セットしてみる。Eはジャストサイズ。ここまでジャストかと思い、一応Pも見てみようということで、セールを広げてみるとまさかのJ/29クラスロゴが。絶対OKだ、ということで、借り物のセールでどうにかこうにかスタートラインに漕ぎ着けました。
島おこしのイベントとしてのヨットレース
沖縄の離島に渡るヨットレースは、慶良間列島への座間味レースが最も有名で参加定数も50〜60艇程度の大規模なものになるが、他にも久米島レース、伊江島レースと、それぞれ沖縄本島近くにある島をフィニッシュ地点とするレースが開催されている。これらのレースは土曜日に行われ各島にフィニッシュ後は表彰式パーティーを行う。翌日は日曜日なので、レース参加艇は現地でゆっくり過ごすことができる。 今回参加した座間味レースは座間味村が主催ということもあり、村挙げての盛大なパーティが名物です。
レースコースは宜野湾港の入港浮標付近をスタートし、チービシを越え黒島の側を通過。この黒島は北を行くか南を行くかで判断が分かれるところ。儀志布島の北を抜け、慶良間列島へ。
コース自体は28nmで、レースの長さ的には和歌浦〜徳島と同じ距離ではあるものの、途中通過点が複数あり、環境に変化があるので、セーリングに飽きることはない。レースエリアが慶良間列島に入ると、古座間味ビーチの際に打たれたマークの回航、暗礁帯のケア、速い潮への対応など一気にナビゲーター泣かせの環境に突入。実は最後の1/3が座間味レースの本番だったりする。
ころころ変わる天気予報
天気予報が当たらない。Wether News等の民間天気予報サイトは、飛行中の航空機が取得する気象データも活用して、より高精度な予報を行うシステムになっているため、ウクライナ戦争の開戦以降、ロシア上空の航空気象データがほぼ取れない状態にある。よって、1日先の予報ですらコロコロ変わる現象が起こっており、沖縄に渡った初日は予想外の大雨に遭い、翌日もっとひどい雨になると言う予報を信じて雨のなか準備を行なった。
が、いざ翌日は曇ってはいるものの全く雨の降らない1日。何のために1人でジメジメ蒸し蒸しした中準備をしてたのか分からない状態になりつつも、全ての準備がすでに終わっているので、本土からくるレース参加メンバーを那覇空港までピックアップに。こうなってくると、誰が現地のコーディネーターかわからなくなってくる。
レース当日はやっぱり雨予報。ただ、午前中は土砂降りでも午後からマシになると言う予報を信じて、雨の中宜野湾港マリーナを出港。諸事情によりレースに乗れないAltair山本オーナーに見送られレース海面に。
やっぱり結構雨が降ってる・・・。那覇空港沖では強烈なスコールに見舞われ、29ft艇の舳先が霞んで見えるくらいの大雨。
クラス分けによる時差スタート
Altair-J<J/29>はClass-Ⅲの最大レーティング艇。ちょっと辛すぎるレーティングではあるものの、Class-Ⅲのハイレーターということで、ある程度前を帆走る事を要求される。参加定数の多い(今年は54艇の参加)座間味レースでは、慶良間列島内で多くのヨットが帆走するシチュエーションを作るために、クラス毎にスタート時刻が異なる。Class-Ⅲは8時半スタートで最も早い時間のスタート。最後にスタートするClass-Aとはスタート時で1時間の差がある。
後からスタートするClass-ⅡやClass-Ⅰ艇が追い付いてくるまではClass-Ⅲのハイレーターとして、フリートを引っ張ることになる。スタートは有利エンドに固まった3艇と縺れながらのスタートとなるも、少し遅れてスタートしたことで、団子からあっさり抜け出すことに成功。先行された2艇を数分の間に追い抜き、雨が強くなるハードコンディションに入るあたりでは、フリートから大きく抜け出して独壇場に。
結局、儀志布島の北でサクラティアモ<Sprint-108>に抜かれるまでの間、約3時間に渡ってフリートの先頭を帆走らせてもらえたので、気分のいい展開でした。
レース後半は雨も上がり、沖縄の海でのセーリングを満喫しました。
苦節5年のフィニッシュライン
13:22:15、座間味レースのフィニッシュラインを通過。初回参加は2019年で、30ktsオーバーの向かい風に遭い、ワンポイントリーフとハーフジェノアのサバイバルコンディション、VMCが全く稼げない状態が数時間続きタイムリミットでDNF。2020年と2021年はコロナ騒ぎでレースそのものが中止に。2022年は復活開催されたものの、抽選に漏れて参加できず。苦節5年のフィニッシュでした。
着順はClass-3の2着、修正5位。後半風が吹き上がってきた影響もあって、後続艇に喰われる形となりました。ただ、参加艇54艇中、フィニッシュラインの通過は9着で、内容的にはいいレースができました。
来年は、リグを整備してレーシングセールを使ってClass1位狙います。