毎年楽しみにしているこの紀伊水道横断のロングレース。ブイ周りの「タックタック」「ジブを巻き、ジェネカーを上げたり下ろしたり」をしなくても頑張れるレースだ。ただ、そのためには長時間のレースに耐えられる力が要ります。それも往復の分の忍耐力。
今回は徳島スタートだったので、行きと帰りと一日ずつ長時間に耐えれば良いだが、これが和歌山スタートになると、行きに長時間を耐えて、さらにゴール後は機帆走になりはするものの5,6時間で帰って来なければならない。ということは、もしゴールタイムが制限時間の5時になると、そこから和歌山に帰ると夜中の10時になるということだ。さすがにこの季節でも真っ暗になる。真っ暗の中の航海はとっても心細い。
それにもましての楽しみは毎年の前夜祭だ。毎年少しずつ私の恥をさらしていっている気がしなくても無いが、今年もこの日まで禁酒して臨んだ前夜祭を楽しんだ。
まあ前置きはこの位にして、我々ウィンデックスの3人(だんりゅうウエノさん、joyタワさん、私)は前夜、ホテルを取りゆっくりと休んだ。少し窮屈なお部屋だったが、3人で朝食付きで13000円(税込み)は超格安だ。
ケンチョピアに7時前に着き、準備をして出航。スタート地点に近づくにつれて風が強くなっていくのがわかる。「メインはワンポンだな」と決め、メインセールを上げ始める。ここは各艇の作戦、または艇の特性により、メインフルセイルのところもあればワンポンのところもあり、各々の艇長の判断。
さてスタート。ウィンデックスは少し遅れてしまった。同じように遅れてスタートを切ったベラノッテに抜かれ、リシテアに抜かれ、さらに3分から4分位スタートの失敗をしたシーキャットもずんずん追い上げてきて抜かれた。(シーキャットはその後も先頭グループまで追い上げて行きました。)
ウィンデックスは前から9艇目を走っていて、先頭グループからじわじわと離されては行くけれど、1時間位は見える後ろを走っていた。そしてこのあたりで徳島の艇が1艇引き返してくるのが見えた。確かに強風でヒールもするし無理は禁物ね。そしてびっくりすることに気が付いたのだ。左舷バウに付けていたジェネカーバックが無くなっていることに。バックごと海の藻屑と消えてしまった。跡にはバックを取付けていた紐が2本ユラユラとライフラインについていた。バックの紐の取付部分が経年劣化で弱っていたのだろう。それでヒールした時バックが海に落ちて引っかかって、引釣りながら進んでいることに気が付かずにそのうち波に持って行かれたと思います。ジェネカーとソックスとバックで裕に20万位の損害か?【また嫁さんにはナイショごとが増えました。】
ウインデックスの後ろを見るとスタートを失敗したトトロが見えており、さらに後ろを多分ロシナンテだろうが走って来るのが見えております。
今回、タワさんが作戦を立ててくれて、「よし、先ずはアビームからクローターリーで沼島の方向を目指そう」としました。この方向だと距離的には不利になりますが、風、波の影響がすくない。そしてスピードが乗る。結果的にこの作成が効いて我々の成績につながったのと思います。ただ先頭グループの皆さんがだんだんと右に見えてくるには非常に不安になってきました。
どのぐらい波が高かったのか?3mから4mの波だったのか?重しをしていた私に容赦なくスプレーがかかります。時々はコックピットのウエノさんタワさんにもかかり3人ともびしょびしょだ。出港時にドジャーを取付けたのですが今日の波風では、あまり役立っていなかった。多分先頭グループの艇のクルーもそうだろうが、しかし大きい艇、ルチェーレ、シャーキャット、ベラノッテ、エピソードは余裕だろうなあ~~と後ろから思っていた。30Fのリシテア、マリンコーラル、オプティミストはどうだろう?とか勝手に考えていた。
この日は、もやっていて視界が悪く、後ろを走る我々は、先頭グループが見えるのである程度の目安にはなるのだが、前を走る艇はどうしていたのだろう?
11時過ぎに目の前に沖の島らしきものが見え少し元気が出る。しかしこのあたりで本船航路に引っかかった。南から北へ前を横切る本船が3艇。1艇は上手く横切って行ってくれたが。2艇目は諦めて回避した。ジブをシバ―させ、メインも開き、my艇を北東に向けてスピードダウン。前を横切ってもらった。それから直ぐ、これまた更に大きい本船が2時半の方向に見えてくる。こちらが前を横切れることはないだろう。このまま進み余裕でmy艇の前を通ってくれるとありがたいなあ、と思いながら進むが、どうも微妙なところだ。いい風がありこちらも良いペースで進むので本船がmy艇の前を通り過ぎるかどうかが微妙になってきた。これも仕方なく