ちょうど昨年の今頃参戦を決めて、準備を進めていたPhuket King’s Cup Regatta。ボートのチャーターからレースのエントリーまで、まぁ色んなことが起こりまして。そんなこんなで、あっという間に過ぎた1年でした。

11月28日

 国内での仕事を片付け、関空発の深夜便の飛行機でプーケットへ。時差の関係もあって0時50分に出発して、現地時間の9時45分に到着。感覚的にめちゃくちゃ早くついた感が。エクスチェンジのタイミングを完全に間違ってしまった為、超絶悪いレートで両替することになってしまった。1バーツ5.14円って・・・。いろんな買い物の日本円換算が×5でする羽目に。

 プーケットに到着したら、見事に雨。先に到着していた他のメンバー曰く、「あんたが付く直前から大雨が降り始めた。」と、関空に向かう時も大雨降ってたので、妖怪アメフラシパワーはタイでも健在だった。

 とりあえず荷物もたくさんあるので、空港でタクシーを捕まえ拠点となる島南部のカタビーチエリアへ。50km弱の道のりで2,500バーツのタクシー代。ちなみに何度か同じくらいの距離を行ったり来たりした中で、同じ条件だと圧倒的に高いが、ちょっと大きめの車で3人乗って50kmの道のり12,500円てことになると、日本のタクシーと比べると圧倒的に安い。ちなみに、タクシー配車アプリの「Grab」をインストールして、タクシーを手配するようになってからは、ハイエースベースの10人乗りでも50kmほどの道のりで1,385バーツ(7,000円弱)なのでかなり安い。

 タクシーで街中を走っていると、幹線道路でも信号が必要最小限しかなく、大きな交差点は基本ラウンドアバウト。2車線道路を3列で走っていたりで、無秩序に見えても事故ることはなく、阿吽の呼吸で交差点をパスしているところを見ると、無駄な信号機を設置しまくった環境で、お上に制御されないと円滑な交通を実現できない東の端っこにある某島国のドライバーとはレベルが違います。視野が広い。あと、みんなキビキビ走ります。交通事故1件だけ見たのはレンタカーがオカマ掘ってました。

 走っている車種も面白く、例によってトヨタ、ホンダ、マツダの車が多く、いすゞの乗用車が結構走ってるのが印象的でした。日本ではまず見ないモーリスガレージ(MG)が結構走っていて、タクシーでも1回当たりました。あと、ピックアップトラックが日本の軽トラくらいのノリで走ってる。調べてみるとピックアップトラックは国産以外の車も税制に大きな優遇があって、乗用車の1/10程度の税金しかかからないようです。また、古い車に長くなると税制上の優遇があり、ナンバープレートの色が変わるらしいです。ちなみに、新車は赤ナンバーで表示され、反対に税金割り増しみたいです。至ってまともな自動車税政。日本政府はタイ政府の爪の垢煎じて飲めばいいと思う。

タイによくある車。ピックアップトラック(ハイラックス系が多い)、小中型セダン(Mazda2、カローラ系)、ハイエースのタクシー。タクシーはいすゞのちゃんとしたSUVも多い。というか、日本に多いなんちゃってSUVはほとんどいない。

11月29日

 レースの日程が当初から変わったため、この日はチャーターボートの受け取りだけ。カタビーチからちょうど島の反対側にあるAopo Grand Marina(アオポーグランドマリーナ)へ。

いくつかのチャーターボート・ヨットの会社の拠点になっていて、一番手前の桟橋はチャーター艇バースになってました。

プーケットの東海岸は浅瀬が多いので、ファウンテンパジョやラグーン系のクルージングカタマランが豊富にありました。

チャーターボートも色々と諸条件があったので、SunSailのKing’s Cupパッケージを使ってチャーターしたSunsail-41(Sun Odyssey-409Mod)。フォクスル、2つのクォーターバース、メインサロンにそれぞれ独立したエアコンがついていて、陸電があれば船内は超快適。暑い寒いとバースごとに喧嘩する心配もありません。が、この快適装備が仇となったのは言うまでもなく。

11月30日

 丸々1日予定が空いたので、アオポーから肩ビーチへの回航日に。ただ、この日思いっきり体調を崩してしまったので、回航中はずっとバースで寝込んでいました。艇の計測等の面倒な作業も不要だったため、カタビーチでのムアリングが完了してすぐにホテルに戻り、爆睡してたみたいです。

ビーチと錨泊した艇との足渡しを担うロングテール。観光用ロングテールだからか、タービンの配管に船毎の拘りが見えて面白い。

12月1日

レースの受付を済ませ、まだ体調が戻っていないのでプラクティスレースはお休みさせてもらい、1日中寝てました。何となく体調も戻ってきたので、夕方のオープニングセレモニーには足を運びました。

レースの拠点は特にヨットハーバーが有るわけでもなく、各々がカタビーチ沖にムアリング。日本のレースシーンではまず無いね、こういう風景。何でやろ?

オープニングセレモニーの会場はレースオフィスが置かれたホテルのプールサイド。ちなみにKing’s Cupはレース期間全ての日程で、会場を変えてパーティが催されます。

 昼間の気温は30〜32度程、日が落ちると気温は一気に冷え込み23度程度になり、12月のタイはかなり過ごしやすい気候です。

さて明日からレース本番。

12月2日 Race Day-1

 何とか体調も戻って、いよいよレース本番。IRCが3クラス、ミドルボートからマキシ(55~80ft)のクルーザーが中心のPremierクラス、チャータートリム限定のBareboat Charterクラス(今回参加のクラス)、普通のクルーザーのMonohull Cruising、クラシックボート限定のSpirit of Classic、マルチハルクラスの合計8クラス(Spirit of ClassicはMonohull Cruisingと統合され最終的には7クラス)。

 コースは全52種類の中からスタート間際に発表されるので、第一関門はコースの把握。無線で事前にコールしてくれてはいるものの、艇の無線機の調子が悪く、掲示板への表示を待つことに。

TP52とDavidson55のIRC Zero、R/C中心のIRC 1、IRC 2、でかい艇が多いPremierクラスはそれぞれ個別にスタート、Bareboat CharterとMonohull Cruising+Spirit of Classicはまとめてスタートさせていたので、おそらくこのクラスが一番混戦。一番小さい艇の34ftから最大118ftまでの一斉スタートはなかなかの迫力。スタートラインも決して広くはない。

スタート前、118ftのクラシックヨット「Cariad <Summers & Payne 118 TGK>」。2レース目はスタート前にこれと絡みに絡んで、再接近で15cm。こちらは上手く躱して何事もなく帆走れたものの、前にいたOceanis-45は完全に吸い寄せられてお気の毒に。

 初日はウインドワードリーワード2週を2レース。我が艇、言ってもチャータークルーズ仕様に改造したSun Odeyssey-409、セールエリアは小さくキールは浅瀬仕様のシャローキール(Deps 1.55m)でジブはシーティングを変えていて、本来のシーティングアングルでトリムできないので、まぁそもそもレースする艇じゃないよね〜と言うことで、成績はさておき。と思いつつも、登りはからっきしダメでも下りは小手先の技で何とかなるので、意外とダウンウインドでリカバリーができて初日はまあまあな成績。極悪なジブのアタックアングル、リーウエイしながら帆走する登り、100°を超えるタッキングアングル。昔持ってたCatalina-25に似てるな〜と、ドン亀の思い出に浸ってました。

 件のクラシックヨット、どのくらいクラシックなのか。戦前くらいの船かなとか思っていてとある日のパーティに参加していたクルーに聞いたら1896年進水とのこと・・・。現存のヨットで最古のヨットらしいです。

後で色々調べたら結構有名な船でした。

https://classicyachtinfo.com/asp_yachts/cariad-2

1987年から1992年の間は日本企業が、1993年から2004年までは日本のチャーターチャーターヨットの会社が持っていたとかで、意外と身近にあった船らしい。

2024年に大規模改修が施されて、船齢128年でもピカピカでした。

12月3日 Race Day-2

2日目は18nmの島回りコース、風はそこそこ潮のきついコースで、ただ黙々と帆走るコース。折り返しのKo Hiまではひたすらクローズホールドが続いたので、登りがダメな船ではどうしようもなく、ただ近くに似たような条件の艇が数艇いたり、第一マークを回り損ねたCariadに追いつかれないようにダウンウインド頑張ったり、TP52にぶっちぎられたりで、プーケット南端の景色を楽しむレースでした。

 やっぱり絡む、Cariad。マーク回航前、ポースタでミートして、明らかなコリジョンコースでも、巨大なセールの壁に風を遮られ他挙げ句、潮に流され結果前を切られる。。。あまりに絡みすぎて最終日にはお互い顔見知りに。

 Day-1のパーティを欠席(会場はオープニングと一緒だったため)してしまったので、Day-2はちゃんと参加しようと言うことで、Ska Bar & Kata seafoodへ。朝食の拠点だったKatamamaの隣、と言うか経営一緒みたい。

12月4日 Race Day-3

 3日はオンボードでのOFF、と言うことで、カメラマンに徹してました(嘘です)。

 3日は何故かサイドマークが追加されオリンピックコースに、ダラダラ真っ直ぐ帆走るコースは要らんねんとか言いつつ、マークラウンドのレースを2レース。ダメ押しでショートディスタンスを1レースの計3レース。1レースくらい上下やって欲しかったな。

レースアフターのパーティはカタビーチを離れ、カロンビーチのCentara Grand Beach Resort Phuketへ。前日のBarとは打って変わって高級ホテルが会場です。

なんて言ったってホスピタリティがすごいです。土日の1泊だと37,000〜45,000円が最安値でした。

ちなみに会場への移動は、バス?

トラックの荷台に人が乗れるようになってる。タイはこれOK。

プーケットのトゥクトゥクは4輪化、軽トラサイズからライトラサイズまで様々。

12月5日 Race Day-4

 King’s Cupも後半戦に突入、昨年までは4日目にレイデーが入っていたのが今年からなくなって、ぶっ続けのレースDayです。

 期待していた風より元々弱目の風が続いていて、予報では4日目からは更に風が落ちる予報にはなっていた。結局1時間ほどの風待ちになったものの、前日まで吹いていた東の風が吹き込んできて、10〜15ktsほどの風が安定して吹き始めたので、レーススタート。コースはまたも三角コース。小手先で勝負できるチャンスが1レグしかないので、結構辛い。

 2レース目は更に風が上がって15ktsオーバーで安定してきたので、更にいい感じに。どうもこの艇は損益分岐点が18ktsくらいで、周りがしんどそうなコンディションになると、俄然帆走りが良くなってました。が、OCS。結構怪しい場所にはいたものの、無線機が完全に死んでリコールのコールが聞こえず。他の日本チームのメンバー曰く、「ずっと呼ばれてたよ〜」らしい。でも、周りと結構絡んで楽しめたからOK,OK。

 4日のパーティ会場はKata Noi BeachのSeacret Restaurant Phuket。目の前が思いっきりビーチ。

12月6日 Race Day-Final

 レース最終日は朝から風がなく、天気予報の気温も33度と、この時期のプーケットにしたらかなり暑い。最初のスタート予告信号が9時からになっていたものの、風も弱いためこの日も風待ちからスタート。そもそも予報では、夕方まで風は吹かない予報で、最終日もしかして風待ちで終わる可能性もあるかもとか言ってはいたものの、そうもできない事情が。。。

 最終日は、タイの国王と王后がIRC Zeroの「Vayu<Botin TP52>」に乗る予定になっていて、2時間にわたる風待ち中、レースコミッティとしてもノーレースは避けたいオーラが思いっきり出てました。

警察の警備艇とVayuのサポートボートが警護についてました。

カタビーチには前日から国王と王后が乗船する為のテンダーとして、水陸両用インフレータブルボートが用意されてました。

 レースそのものは、先にスタートした高速艇群は風のある内にフィニッシュできていたものの、後発の遅い艇は、風が止まるまでにフィニッシュできず、かなり無風に苦しみました。

最終日のクローズドセレモニーは、初日の会場と同じByond Kata

Bareboat Charterクラス優勝は、Luminous-Tiburon(逗子マリーナYCチームでほとんど身内だったりする)。

日本からは、東海のCiervoチームと東京ヨットクラブのFive Starチームの計4組が参戦していました。

12月7日

 これまたレース日程の変更で、1日空いたので、アオポーマリーナへの帰りの回航へ。この日は更に気温が上がって34度だったらしいが、湿度が低く、ビニミトップをフル装備しての回航なので、コクピットは至って快適。この時ばかりはこの船でよかったな〜とか思っている、何と身勝手な。

 往路回航はずっとバースで寝込んでいたので、景色を堪能。していたものの、なんか既視感のある景色。みんな言っていたのが、和歌浦以南の紀伊半島沿岸や瀬戸内海に、沖合から見た地形や景色が似ていると。ただ、典型的に違うのが、いい感じの入江にヨットが複数アンカリングして遊んでる風景があある、漁師が幅を利かせるような事も無いので、この辺の民度は明らかにプーケットが上である。

すれ違った漁船団。作りが結構適当で、中には思いっきり黒煙吹いてる船も。でも気にしない感じがなかなかにパワフル。

何故かアメリカ軍のイージス巡洋艦。AIS出していたので、何処から来たのか調べたらNakagusuku。沖縄かいな。

アオポーに到着。80〜90ftクラスも何艇か止まってて、チャーターボートもあるらしい。一生お目にかかることはないと思いますが。

 チャーター艇を返却して、帰りにプーケットにあるローリータスカーセールに立ち寄り、ショップを物色。これが名物みたいなものは無いが、地味なパーツやニッチな艤装品類が多数あって、こういうショップが日本にもあったらな〜と思えるような工場でした。

12月8日

 11日間に渡るプーケット滞在も最終日、レース参加メンバーの半数近くが7日中に帰国の途についたので、残りのメンバーで一旦空港へ行き、夜の便を取っていたので、荷物を空港に一旦預けてタクシーでプーケットシティに戻ることに。身軽になったので、仕事柄気になっていた場所を2箇所ほど回ったらちょうどいい時間に。

空港までのタクシードライバーが海岸沿いのルートを通ってくれたので、タイで見る最後の太陽・・・にならなかった。

12月9日

 帰りの飛行機の乗り継ぎがすこぶる悪く、トランジットが8時間以上でスワンナプーム発が8時10分だったので、空港で朝日を見ました。

しかも帰りは成田にも経由なので、結局大阪着は21時過ぎで、実質24時間かけての帰国の途でした。

 久しぶりの海外遠征で、2017年のRolex Big Boat Series以来だと思います。Lysitheaとメンバーを同じくするチームKINE KINEの忘年会を兼ねての遠征だったので、今回大きなバックアップを頂いたKINE KINEオーナーには感謝感謝です。

もし来年行きたいという方おりましたら、サポートしますよ。お高くつきますけど。

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