GWから続いたクルージング&ヨットレース祭りは、4月28日の第1回ベラビスタカップ(福山)から始まり、5月3〜4日の関空一周レースシリーズ。相変わらずレース前半は風が弱く、参加艇が団子状態。レース委員をしていたLysitheaメンバーK氏曰く、参加艇50艇が3分間の間に第一レースのフィニッシュラインを通過して、阿鼻叫喚だったと。
5月11日にはKYCで新西宮マリンカーニバルで、コチラはレースのライブ配信を行うという初の試みの為、実行委員として参画。夜は艇を何艇もハシゴしてひたすら飲んだくれた翌日には、ほぼ始発の新幹線に飛び乗り広島観音マリーナへ赴き、JSAF西内海広島フリートのポイントレース。しかしこのレースは無風と雨で中止となり、昼2時から迎え酒。酒飲みに広島に行ったような感じになりました。
さらにその翌週も広島で、くらはし安芸灘カップに参戦。これもまた風の弱いレースでした。これで、レース三昧は終わりではなく、ここからが本題。
伝統の大島レース
葉山マリーナヨットクラブ主催のコスタルレースで、葉山マリーナ沖をスタートし、初島と伊豆大島を回って葉山マリーナ沖に帰ってくる、実質相模湾一周する80nm。土曜日の11時にスタートした艇団は概ね翌日の日の出までにフィニッシュすることが殆どではあるが、たまに昼ごろまでかかる事もあるらしい。
伊豆大島周辺海域は、パールレースの最終盤である相模湾エリアで煮湯を飲まされることが多いので、夏に向けた勉強にもなるかなと。
金曜日の仕事を終えて、車を飛ばす。23時過ぎに逗子マリーナに到着して、早く寝ればいいのに、何故かフジテレビの深夜枠で放映されているオールナイトフジコの制作レベルの雑さに見入ってしまい、結局2時過ぎまで呑んでたという、オーバーナイトレース前夜に有るまじき状態に。
艇はいつものConstellation<IMX40>。ハルの色が変わって、ツノが生えてマストが黒くなって。元々白が基調だったのでイメージが大きく変わりました。何か「バウで棒を振り回すような品の無い行いをするのは、今のご時世よろしくない。」という戯言を間に受けたメンバーが居たようでこうなったと言われました。
TCCが大きく下がったので、対レーティングでのトータルポテンシャルは上がったと思うんですけど。
吹くのか吹かないのか西なのか南なのか
レース中の予報は、スタート後すぐに風が一旦落ちるものの、午後以降10〜15ktsの南寄りの風が安定するとの予報になっては居たものの、若干風向が西よりでこれがこの後、南〜南東、東へと変わっていくのか?と、若干疑心暗鬼で初島を回航、そのまま大島周りのレグに突入。実は初島→大島間はそんなに距離はなく、伊豆半島と大島の間を抜ける潮をどのタイミング超えるのかが結構ポイントになるらしい。
大島のブランケットで、ほぼ全ての参加艇が団子状態に。大島を飛び越えて入ってくる風に期待して沖目にポジショニングしていたのが運の尽きで、潮の影響が小さい大島寄りの艇団に先にブランケットを突破され、フリートから遅れること1時間で漸く島裏の無風エリアを脱出。千波崎を回ってからは三原山を回った風がバンバン吹いていたので、先行艇をひたすら追いかける。
ConstellationのTCCがDivisionで一番低いので、停滞時間が長かった分ハイレーターにくっ付いておけば、修正結果は何とかなるというモチベーションの下、大島の東、三浦半島の西を進み、3時過ぎにフィニッシュ。
予想通り、片上りに近いレグでレーティングは高くても所詮は40ft程度のボートなので、何とかくらいついてDivision Aの4位、後少しで3位のところまで持ち直すことができました。
関東は日の出が早い。もちろんマリーナは営業時間外なので、桟橋に係留して艇を軽く片付け、合宿所のマンションに帰る頃には既に明るくなっていました。
相模湾の次は大阪湾
直前の九州出張をサクッと片付け、今度はこれまた伝統の「大阪湾一周オーバーナイトレース」。新西宮ヨットハーバー沖から洲本沖のマークを周り、西宮浜と芦屋浜の間の水路にフィニッシュする、距離こそ58nmほどですが、レース中、まぁ確実に風が止まる。大阪湾全体の潮を読み、風を取るのか潮を取るのかの判断が重要になる奥の深いレースです。
参加艇は、HPR艇のMart Spirit <Carkeek 40 GP Mk.1>、普通に考えてこれが無条件にぶっちぎりで早いだろう。Tam <Archamboult 40>、A&A<Melges 32 L/L>、Amanda <Melges 24>、Parantica <Cybelle 325>、と今回乗艇のKINE KINE-X4 <X4.3>の6艇。当たり前にこの6艇の中で一番重いわけで、Melges 32何かはおそらくX4のバラストより軽いはず。
総じて風が弱い、マーク回航想定時刻がちょうど転流の時間と重なるので、特に洲本周辺の風と潮はメチャクチャで、風は0kts。でも潮が1.5ktsくらいで流れているので、カレントで発生するアパレントを掴んで何とか10tの艇をコントロールするも、潮の流れも10m毎に方向が違うので、即コントロール不能に。電動ウインチの発電用に回していたエンジンを切らないと冷却配水の水圧で艇が回るので、エンジンも止めてひたすら耐える。
幸い深夜の洲本沖で苦しんだ時間は1時間ほどで、並み居る軽量艇を差し置いて2番手で回航。再度風のある海域まで戻って、進路北北東の芦屋浜沖へ向かう。風光風速は悪くなく、比較的順調に艇を進める。例年、関空沖で2時間、泉大津沖で1時間、新島〜神戸空港間で3時間漂う時間があるのだが、今年は夢洲沖で風が30分程度止まったくらいで比較的順調な部類のコンディションでした。
視界に入った白いセール
この大阪湾一周オーバーナイトレースは、初夏の夜に帆走し、翌朝から午後にかけてフィニッシュするという特性上、基本的には後続艇有利の展開になりがちで、ハイレーターのフィニッシュが10時前後だった場合、11時すぎから入ってくる南西の風と共に帆走してくる小型艇に修正で喰われるというパターン。今回風が途切れる時間が極端に短かったので、何とか逃げ切れるかと思っていたのも束の間。西宮沖一文字を交わす手前で、堺沖に白いスピンかジェネカーが見える。位置的にAmandaが追い上げてきたのかと思っていたが、フィニッシュして桟橋で艇を片付けていると、Melges24にしてはマストが高いし、全てのセールが白い。まさかのたった47分遅れでParantica<Cybelle-325>がフィニッシュラインを通過。
今の大阪湾一周オーバーナイトレースは、勝ち筋コースが決まっており、今回出ていたMart Spiritの様なHPR艇でない限り、セオリーとなるコースの選択肢はあまり多くない。そこを手堅く帆走れば、まずまずの成績で終えられる。そのルートを手堅くストイックに帆走ってきたのだろう、後で聞いたら、KINE KINE-X4とParanticaはほぼ同じコースを帆走っていたらしい。そして、Paranticaは六甲アイランド沖のカームには会わなかったので、30分ほど止まっていた時間が短い。修正成績を見てもやはり30分差で負けていたので、ほぼその差だということです。こればかりは時の運なので致し方ないですね。
ちなみに、HPR艇のMart Spiritは3時前にフィニッシュしていて、これは風が落ちる前にレースを終えているので、圧倒的な先行逃げ切りです。
流石にオーバーナイトが2周続くと辛いですが、まだこの時期の暑さはマシなので、どうになります。真夏になると、今年はパールレースに始まり、石廊崎レース、トランスサガミ、JSAF紀伊水道レース、阿波踊りヨットレースと半月ほどの間にレースが固まります。
その前に、沖縄の座間味レース。今年は晴れるといいですねぇ。