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ハウステンボスで過ごした日々 (3)
『ハーモニー』の2つ隣にはオーストラリア艇の『VIVACE2』が越冬している。
シルビアとビル夫妻は10年以上かけてゆっくりと航海を楽しむ計画である。
ある日シルビアがナイフで指をかなり深く切ってしまった。
「シルビアさん痛いでしょう、痛み止めあげようか?」と聞くと、「そうでもないのよ。私『霊気』を使うから痛みを緩和できるのよ。」それがこの始まりだった。
<VIVACE2>
ビルとシルビア夫妻のヨットです
愛ちゃんはシルビアさんに英語を教えてもらっています シルビアさんと精子さん寿司パーティー 寿司パーティービルさん
2003.1.28
「霊気は『気』の力で痛みを緩和させたり、緊張を和らげたりするの。興味ある?」「何にでも効くの?動物や子供にも?」「そうよ。寿命を延ばしたり、悪いものを消したりはできないけど、緩和はできるのよ。」
しかも、シルビアはマスターの称号まで持っている。
彼女はこれまでの航海で幾度も『気』の力に助けられたことがあるという。

パプアニューギニアでは重労働で背中の筋肉の痛みに悩む女性に『気』を施し、数回の後、症状はかなり軽減し、とても感謝されたという経験。
フィリピンのカスタムでは、無理な要求をされそうになり、『気』の力で相手の心を落ち着かせ、通常の手続きだけで事なきを得た経験もある。

誰にでもできて、体に負担なく、費用もかからず平和なものだと彼女は断言する。
その後、私は『気』を感じることのできるアチューンメントという儀式を、「おーいセイコ、魔女に気をつけろよ。」とビルに冷やかされながら、シルビアから受けた。
しかも第二段階まで、昨日終了したばかりである。
それで『気』を送れるか、感じるかというと、明確には何も変わらない。
ただ、確実なのは一つ大きな安心を得た気分である。

これからもこの旅の途中、身体の故障や、トラブル、不安や迷いを経験し、それが海上であればなすすべの無いことも起こりうる。
精神的に辛いことや、落ち込むような時、『魔女の呪文』を唱えて静かに手をかざすだけで、未来に目を向けるような気分になれるのだと思うだけで心強い。
効くかどうかは別として、夫や娘、犬のモコに対しても安心を与えてあげられる。
私には遊び心いっぱいの、新しいおもちゃをもらった子供のような気分である.。
長崎ランタン祭り
2003.2.1.
長崎平和祈念像
そんな、ハウステンボスマリーナでの日々もあと数週間で終わりとなる。
私達は南へ、シルビア達は瀬戸内へと新たな旅が始まる。
今後は、「フォクシーレディ」の後について、鹿児島に寄港した後、沖縄まで転々と島伝いに寄航しながら進もうと計画している。
多分どこかの島では昨年函館でお会いした『信風』が「遅いなぁ・・・」と言いながら、再会を心待ちにしてくれているはずだ。
ハウステンボスマリーナ    2003年3月・・撮影
ハーモニーのテンダー←↑「はーちゃん」です 運動不足解消にバトミントンで遊びます
心にたくさんの思い出を持って、3月中頃、ハウステンボスから出港します .


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