平成15年の宮古島
「冬はさむいさぁ・・」と、沖縄の人は言う。
南の島なのに寒いものか、と思っていたのだが、やはり冬は冬らしく
ひんやりとした季節風は、北緯24度の下にも、懐かしい寒さを運んできてくれるようだ。
宜野湾から宮古島まで150マイル。前半は向い風に悩まされたが、後半は北東の追い風で快走した。それでも、八重千瀬(ヤビジ)を見る頃には日が傾き始め、その日は池間島の池間港に入港し、翌日の午後、平良港に舫いを取った。
高田さんの横に元気になったモコがいる |
ハーモニーと愛ちゃん 2003.12.14.
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「私のトリマランは、台風でロープが切れて堤防を越えて飛んで行ってしまいましたよ・・」とか
「台風のさなか、這いつくばりながら、ようやく岸壁までたどり着いて舫いを探るとダラリと切れていたのでガックリきましたわ・・」とか
「あんな台風生れて初めてでしたよ・・この港が高潮で消えたんですよ・・」など遊びに来られた地元のヨットマンの方から、記録的な猛威を語る言葉が次々出てくる。
私達には気の利いた返事の仕様もなく、「それは大変でした・・・恐ろしいですねぇ」と答える。
「台風は珊瑚を綺麗にしてくれるんですよ。海の洗濯機みたいなものだからね・・」と以前、聞いたことがある。
宮古島のさんご礁は最高に美しい時なのかもしれない・・。
宮古島のエメラルドグリーンの海2003.12.15. |
台風で風力発電が倒れたそうです。2003.12.15 |
宮古には『24ノース』がある。
http://www.24north.co.jp
オーナーの渡真利さんは、長距離航海者をここでサポートして下さっており、色々な方から「宮古に行ったら渡真利さんにぜひ会ってね。」と聞いていた。
「噂の方にやっとお会いできました。」と話すと、「私も待っているだけじゃなくて、来年7月、フランスから日本まで回航をかねて8ヶ月間の航海を予定しているんですよ・・」と話されていた。
港の係留場所から徒歩で3分の所に、漁協婦人販売部の小さなお店がある。そこで毎日新鮮なマグロや、お昼は揚げたてのモズクの天ぷらがとても安く食べられる。
アツアツの天ぷらを袋に入れてもらい、食べながら港を散歩した。
島内観光です |
モズクと魚のてんぷら |
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次の石垣島までは、約90マイル。
季節風が少し緩み、風が東にまわる頃、日没を眺めながら平良港を出港した。
石垣島に近づくにつれ波が小さくなり、夫と2時にワッチを交代する時には、月が海を照らし、波しぶきが輝いていた。
そして12月16日、石垣港の黄色いポンツーンに舫いを取った。