2004年2月29日 Paluan Bay 
ミンドロ島の西に位置する パルアンベイの 静かな漁村の前にアンカリングした。細い雑木が海岸線を覆い、その奥に人の住む家があるようだ。衣類を干す姿も見えるし人の気配もする。翌朝、カヌーで漁師が小猿を売りに来た。
ジャングルから捕まえてきたという、尻尾の長い茶色の猿だった。
少し船に置いて、出港前にジャングルに放そうか・・とも思ったが、私が買うと彼らは次の獲物をまた密猟するのだろう。そう考え、思いとどまった。
3月2日 Pandan Island

プエルトガレラから PANDANリゾート ヘ
パンダンアイランドリゾートには白い砂浜とこじんまりしたコテージがある。向いの島との海峡は一部流れが速く、そこは大きなサンゴ礁の棚になっており、水深は25メートル以上ある。砂地を探し、10メートルのアンカリングポイントを見つけ、落ち着いた。
「5時半頃、ビールでも飲みに行こう。」とマイケルに誘われ、数日振りに上陸した。リゾートにアンカリングする時は、上陸して顔を出し、バーでビールの一杯を飲む。
そうすると、気兼ねなく停泊できるし、ビーチも使える。
「絶対に、『アンカリングしたいのだけど1日いくら?』とは聞かないでね。」と、彼らは言う。

パンダンアイランドのセイリングカヌー

パンダンアイランド
に上陸

高田さんファミリー


パンダンアイランドにて、テリーとマイケルと
この島では入島料金として、一人100円を支払った。フィリピンの政治家に納めるお金だと言っていたけれど、その真相はわからない。この島の珊瑚礁は本当にすばらしかった。
濃い青や水色 緑 赤 紫と、色とりどりの種類の珊瑚が生息している。
水は、どこまでも透き通るグランブルーの海。
こんなすばらしい世界は、私は今まで見たことがない。その夜は、別世界を体験した余韻に浸りながら、眠りに着いた。

パンダン島は、生活物資全てを、対岸の島からバンカーで一日何度も輸送している。それに乗せてもらい、私達も買い物に出かけることにした。

パンダンの町
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パンダン町ヘ
行きました
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町の電気店の前にて
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町で買い物を終えてバンカーに乗り込む
海から続く河口をゆっくりと遡る。造船所や魚市場、港など、自然のままのフィリピンの田舎町がそこにある。舗装していないでこぼこ道の両側には、八百屋、肉屋、魚屋、米屋と色々な店が軒を連ねる。とても活気がありそして、田舎風情ののこるフィリピンを感じる。
                  パンダンアイランド
3月5日 アポ環礁
チャイナ海とスルー海の間に、APO(アポ)環礁がある。
和歌浦湾がすっぽりと入る大きさで、ここにもすばらしい珊瑚がたくさん生息している。夫は、「海の真ん中でアンカリングするなんて、自分達だけではあまり選ばないポイントだよ・・」という。
海図を見ながらゆっくり進入する。浅い所もあるけれど比較的わかりやすい。
水が綺麗なので、砂地を選んでアンカーを入れた。
ここには、シャコガイというのだろうか。指を挟まれると大怪我をするという、二枚貝をいくつも見つけた。大きなものでタイヤくらいあったと思う。

アポ環礁の入り口、左にあるのが珊瑚の隆起した部分

アポ環礁のシャコガイ
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シャコガイを料理
「刺身で食べると美味しいのよ。」とテリーが言った。そこで、バレーボールくらいのものを1つ料理することにした。殻は大きいが、中身は少ない。貝柱を切った瞬間水を吐き出した。
さて肝心の刺身の味は、貝柱以外はほとんど食べる所がない。
その貝柱も、まるで猫の舌を舐めているようで、ザラザラと味気なく、風味も粘りもない。
一口食べて次にはだれも箸を伸ばそうとしない。おそらく、これは食べてはいけない貝だと思う。珍味を味わう程でもない。「外国人の『刺身が美味しい』なんて言葉は、二度と信用しないぞ」と、私達は思っている。



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