2024年5月4日(土)から5日(日)にかけて開催された「2024日韓親善アリランレース」に、普段は泉佐野をメインポートにWOYC会員として活動しているSEACAT(ツボイ Swing 34)が参加しました。レース参戦の経緯をまとめましたのでご一読ください。結果はDNF(Did Not Finish)でしたが、初めての国際外洋レースに挑戦した経験は、私たちチームにとって貴重な学びの連続でした。

アリランレースについて

 アリランレースは、日本と韓国をむすぶ国際ヨットレースです。その歴史は1973年「釜山レース」にはじまっており、第3回大会から「アリランレース」と名を改めました。以降、隔年で続いてきた本大会も、2019年の第24回大会をさいごに新型コロナの影響で一時中断していました。今回、5年ぶりに復活をはたした記念すべき第25回大会は、釜山スタート・福岡フィニッシュ(108海里)のルートで開催されました。

準備編

2023年末、つぎなる挑戦を模索していた私たちの間で、アリランレース再開のニュースが話題になりました。普段、インショアや沿海レースがメインのSEACATにとっては、はじめての国際外洋レースということで難易度のたかさを感じつつも、「やってみよう」という熱意で参加を決意しました。 その後、艇の準備(OSRカテゴリー3適合、臨時航行の船検取得、保険加入)、クルーの準備(JSAF加盟、練習、家族や職場への調整)、さらにはCIQ(税関・入管・検疫)手続きや回航計画の策定などを、2024年1月頃からすすめていきました。着実な準備の積み重ねが今回の挑戦をささえました。

回航編

一方、クルーは車で大阪から福岡へ移動しました。車にはレース本番に使用するセールや備品を積載しています。福岡到着後、艇の最終調整を行い、燃料、食料および水の補給、出国手続きを経て5月2日午後2時に出航しました。

 釜山への回航中は、交代でキャビンに降りて仮眠をとっていました。夜になり、壱岐をすぎたあたりでは、夜間航海でのひどい時化の洗礼を受けました。大きな海水の塊を何度も被りました。暗闇で見えないため潮を避けようがありません。そんななかワッチを続けました。時化のなかでも、ぼんやりと遠くに見えるイカ釣り船団の光景は印象的でした。

 時化がおさまってきて、対馬をすぎたあたりから、16chの様子がかわってきました。韓国語です。東から太陽が昇るころには天候も回復し、釜山に到着するころには快晴無風のコンディションとなりました。そして、5月3日11:30、日本国旗を高く掲げたSEACATは、静かな海面を滑るようにすすみ、釜山市オリンピック・ヨットハーバーへと入港しました。ハーバーにはすでに多くのレース参加艇が到着しており、活気に満ちた雰囲気に心がおどりました。ヨットの係留後は、レース実行委員会の指示にしたがい、スムーズに入国手続きをすませました。その後、現地での準備をととのえ、艇長会議とレセプションを通じて他チームの参加者と交流し、国際レースならではの特別な雰囲気を存分に楽しみました。レセプションはハーバー近くの大きなホテルで、盛大に行われ、参加者たちの熱気と歓声が響き渡る素晴らしい夜となりました。

レース編

釜山での準備と交流を経て、いよいよレース当日。8時からハーバーでCIQを終わらせ出航です。スタートは12時でしたが、結局3度リコールがかかりました。釜山から福岡への航海は順調な滑り出しでした。当初、東に向けて走り始めたレースの船団でしたが、最短距離から大きく東寄りのコースとなってしまうことと、レース中盤以降に西に風位が変わる予報があったため、タックを繰り返し対馬の東端をかすめるようなコースで九州へ近づいてゆきました。

 16chが韓国語から日本語に切り替わる頃には海は時化てきて、またしても潮をかぶりながらのレースとなりました。シュラウドに取り付けたフラッシュライトのあかりを頼りに、セールのトリムを行い航海を続けました。またしても、夜があけるにつれて時化は収まりましたが、風も微風となりました。風向も悪く、我慢してなんとか福岡を目指しましたが、期待した西からの風はいっこうに吹きません。ジリジリとした時間が続きました。

 壱岐に差し掛かったあたり、福岡まで30マイルを残して18時のタイムリミットに間に合わないと判断し、リタイアしました。そこからは、交代で休憩を取りながら福岡に夕方無事入港しました。エントリー30艇のうち、タイムリミットまでにゴールできたのは11艇でした。

まとめ

SEACAT初のアリランレースは、レース結果だけでなく準備や挑戦そのものが大きな財産となりました。この経験を次のステップへの糧とし、チーム一丸となって更なる挑戦を続けていきます。支えてくださった皆様、本当にありがとうございました!

余談ですが。。。

回航 挫折編

実は福岡からの回航には裏話があります。

当初は4月30日 福岡出発、対馬一泊、5月1日に対馬で出国し、5月2日に釜山着の回航予定でした。が、なんと、30日の出航から7時間たった14時すぎ、左手に壱岐を見送り、もうすぐ沖ノ島が見えるという頃、プロペラを海におとす珍事がおきました。(回航時のAIS航跡参照)結果としては、セーリングで福岡へ戻り、別のプロペラを取り付けて5月2日に釜山へ向けて再出航できました。「回航 挫折編」の詳細については、SEACATクルーにおたずねください。

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2024年 クラブ行事

ポイントレース
4/14(日):市長杯
5/26(日):アゼリアレース
6/29(土)~30(日):WOYC vs TYC対抗レース
7/13(土)~14(日):クラブ交流帆走会+親睦会
8/4(日):WOUC CUP
8/25(日):湯浅湾ランデブー
9/22(日):県連会長杯
10/13(日):沖ノ島ランデブー
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8/14(水):阿波踊りヨットレース
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クルージング・イベント
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