皆さん こんにちは。
和歌浦の上架も第2弾になっている今日日頃、
私、ウインデックスは第1弾の2月9日に上架しておりました。
私も非常にショックを受け、掲示板にコメントすることができませんでしたが、
この3月1日に無事なんとか下架できたので、この間の出来事を書きます。
5つ位に分けて書いていきます。 小出しで5回〜ヾ(@⌒―⌒@)ノ
Part1.
1.上架前日午前中、海南クロエから和歌浦ポンツーンまで艇を運び、
明日の準備として、ジブを下ろし、メインも下ろし、メインハリヤードをスターンまで引っ張り、バックステイを外しました。
(毎年、バックステイを外すのに、この艇は時間がかかるので先にしておこう、との事だったのです。)
しかし、これが悲劇の始まり???になったのです。
今回の上架は、今上がっているロシナンテは下ろさず、上架ばかり3艇。
それとアルタイルのマストヘッドでの作業を藤永さんが行う、という割と少ない目のミッション。
さて順番は、私の艇から始まることはほぼ決まっていたので、もたつかないように作業を終えておこうとのことだったのです。
2.当日朝少しうっとうしい天気。また風が時々強い。いやだなあ〜とか少し思いました。ガウチョさん、マイマイさん、アリエルさん、私と7時半すぎに集合し、人数も総勢8人位。十分な人数です。クレーンが到着(ちょっと一回り小さいクレーンだが大丈夫とのこと)
3.船台を決めて船台の移動。
私は艇を岸壁に寄せて、ベルトを前と後ろに通して、さてバックステイ替わりに止めているメインハリヤードを外し、いざクレーンで持ち上げ。
スターンのロープを私がリードしてクレーンが艇を持ち上げて船台の場所に持っていこうとアームを回転させた5mほど動いた時、「あっ」と誰かの悲鳴。艇のマストが前にゆっくりスローモーションのように倒れていく〜〜。今度は私が「ああ〜〜〜〜〜〜!」
マストが倒れました。ヘッドがクレーン車のどこかにあたって、マストの根元は、下から引っ張っているメイハリとスピンハリに支えられながら艇から10cm位浮いています。
サイドステイはもちろん付いたまま。ぶら下がるようにマストが前のめりになってます。
作業のメンバーも一瞬、あっけに取られてようで、でもすぐに誰かが「まずは艇を船台に載せよう。その後マストを釣り上げよう」と。当たり前ですが冷静な判断でした。
艇を船台に載せてから、マストのヘッドの方でクレーンで釣り上げるようにロープをかけて少し持ち上げて、次にサイドステイ、フォアーステイ、ロープ類を順番に外していく。
ようやくマストが艇から離され、艇の隣に置かれることになった。
くしくもマストを下ろして細工をしているロシナンテのマストの隣に、さも同じように下ろしたかのように仲良く並びました。
つづく
Part2.
さて、マストを倒したところからですが・・・・・・・・・・・
1.被害は???
そうです。マストはどうなったのか?船体は???
被害・損傷
1)マストヘッド の 全周灯(白色) (これはマスト内の配線の断絶によりこれまで点灯したことが無い、LEDのものを昨年取り付けましたが、点灯する前に壊れました。)
2)赤いウインデックス。 バラバラに これで3回目
3)マスト灯を支える台座の金具。ぐにゅあ〜 っと 曲がる
4)ファアーステイのターミナル。グニャ〜 と曲がる
5)ジブファーラーのフォイルがグニャ〜と弓なりに
6)同じくフォイルのトップの止め具。ふっとんで4つにバラける。3つかけらが残った
7)ジブファーラーの下、ドラムユニットが、フォイルとの接合部分のところで破損
(ファーラーを回転さすのに、フォイルとドラムがいっしょに回らない。)
8)ブームのグースネックの取り付け部の金具。グニャーと下向きに曲がる
とりあえず、この時の段階で無事らしいところ
9)マスト本体(スプレッダーも含む)
10)サイドステイ、バックステイ、フォアステイ 等の リギン類
11)サイドスティのチェーンプレート
12)ハリヤード等のロープ類
さて、どの位修理代がかかるのでしょうか???
私はこの日一日落ち込みました。というかショックから立ち直れませんでした。
ヨットを持つのを辞めようかな?とかまで考えました。
つづく
Part3 皆さん こんにちは。
1.被害・損傷をお知らせしましたが,
・どの位修理費用が必要か? ・どの位、修理時間が必要か?
この2点についてがもっとも気になるところでした。
ルーティーンの上架なので,いつもの船底塗料を塗らないといけない。
さらに,今回の当初の予定ではシンクのスルハルのバルブの修理とフォールディングペラへの変更作業
この2つをする必要があった。もう一つ、マスト灯の点灯のための配線(コード)の入れ替え。
上架でしなければならないことが満載。3週間で間に合うのか?
ただ、今回の上架期間は,祝日が多い。なんとかその日程を利用して頑張ろう と 気合をいれました。【が、、雨が多かった!】
2.出来る所から始めようと,2日目(11日祝)には船底をサンダーで削った。ペラのシャフトもぺラクリンを落とし磨く。
またシンクのバルブをでっかいスパナで「えいやー」と回し,ようやく動くようになる。
驚いたことに,上架して初めて気づいたけど、これまでバルブは,開放のままだった。【恐ろしや、恐ろしや〜】
でもこれで閉まるようになる。
3.3日目(15日(土))には,元の固定ペラを取って青海波さんから譲ってもらったペラを刺してみた。なんとかいけそうだった。
ペラを閉じると後ろのラダーとの隙間が10o位。微妙な距離でした。
ただ空回りを止めるキーの幅が合わない。これをJOYさんに相談すると,元ポラリスさんに見てもらって,
ペラかキーを削ってもらってみたら?とのことだった。早速連絡。
次に,使用していない白灯と航海灯を持ってきてくれた青海波さんに,
「LEDの白灯が点くのであれば,壊れたのが取付のアタッチメントだけなので,
グルグル巻きにテープ等で止めて使ってみてもいいんじゃない?」とアドバイスをもらった。
4.4日目(16日(日))大雨。外での作業ができず,船内にてマスト下へ続く配線のチェック。
5.アリエルさんが,マスト灯の取付金具の曲ったのを大体元の姿に戻してくれ、
ファーラーのドラムの修理もチャレンジしてくれるらしい。ありがたいです。
6.5日目(22日(土))午前中雨。艇の中でまたまた作業。夕方から雨が上がり,船底を洗う。
7.6日目(23日(日))やっと晴れた。朝から1回目の船底塗料を塗る。午後からマスト灯の配線コードの交換。途中ではずれない様に慎重に行う。
フォア―ステイのヘッドのターミナルの曲ったのを金づちでコンコンと真っすぐに直す。
パラーデさんや横〇さんに協力してもらったジブファーラーのフォイルの曲った所を力まかせでちょっと伸ばす。
8.7日目(24日(月祝))船底塗料2回目。マスト灯の白灯の取付。
配線もつけて横〇さんに協力してもらい点灯をチェック。点いた。
アリエルさんに修理してもらったファーラーのドラムにフォイルを装着。
9.ファーラーのトップで4つになった留め具の3っをひっつけて再生。
なんとかここまで修理が出来てきた。見通しが付いてきて、ほっと一息。
つづく
Part4
1.上架の日程も下ろすまで,あと1週間になりました。
ファーラ―のフォイルは曲がったままですが、フォアーステイにテンションをかけるとまっすぐになるだろう?との甘い予測を立て、無理をしてフォイルが「バキッ」と折れないようにする。
2.艇の船名でもある「ウインデックス」は,これまた懲りずに赤いものを取付けることにする。
同じものが,一つ買い置きしていたので,購入費はかからず。
3.作業8日目(28日(金))この日の夕方5時,マイマイさんとペラクリンの下塗りを一緒にする約束をしていた。
5時過ぎに,元ポラリスさんがペラのキーを削って持ってきてくれる。
フォールディングペラが装着できると思うも,取付けるナットを回せない。ソケットがデカくて隙間に入らなかった。
急きょソケットかナットを捜しに行くことになる。
4.Joyさんのアドバイスにより閉店間近のトノムラに飛び込み,ペラの本体,ナット等を持ち込み「これが締まるようにしたいんですが,
どうすれば良いでしょう?」と相談。
たまたま,社長がちょっとした知合いで,とっても親切にしてくれ,ペラ本体の隙間に入り切るソケットを探してくれた。
また元ポラリスさんの工場で、ペラのキーをもう少し調整してもらった。
5.9日目(29日(土))朝一番にフォールディングペラの取付。直ぐにペラクリンの下塗り。
11時頃にマイマイさんがペラクリンの本塗りに来て,その後また大雨。『今回の上架日程は雨の日が多かった』
6.ジブファーラ―のドラム部分とヘッド部分のフォイルの取付。
アリエルさんが修理してくれた部品を取付けた。
7.夕方にペラクリンの本塗り。
8.上架中に行わなければならない作業はこれで終了。ようやく間に合う。
9.下架の日には,お手伝いの人にも協力してもらって,ファーラ―のフォイルを押さえてもらい,
もう少し「グイグイ」と力で押してまっすぐにしましょう。
つづく
Part5
いよいよ最終日の下架の日
この日はたくさんのWOYC仲間が来てくれて,上架,下架のお手伝いをしてくれました。
7時過ぎに和歌浦へ到着。
1.ウインデックス(赤い風見)の取付。マスト灯の配線のシール(融着テープでグルグル巻きに)
パラーデさんと犬鳴屋さんの協力でファーラーのフォイルの曲りを,よいしょよいしょと曲りをましにする。これでフォア―ステイにテンションをかけるとほぼ真っすぐになりそう。次いで、フォア―ステイのトップをマストに取付
2.クレーン車が8時に到着。マイマイさんを下架。船台を動かしてから,イアンさん,コウセイさんを上架
3.本番のマスト立て。準備のできたWindexから始める。
スプレッダーとトップの間位をクレーンで持ち上げるようにし,マストトップをスピンハリヤードでリードして,
船体のマストの台座にピタリとはまるように立てる。
すごいですよ。Woycの仲間が10人以上協力してくれてました。
船体上では,リギン類をフォア―ステイ,サイドステイ、バックステイと4人がかりで止めさらに1人はマストを支えてる。
とてもとても仲間なしではできない作業です。
仲間に感謝,感謝でした。本当にうれしかったです。
4.私のマストを立ててからロシナンテも同じようにマストを吊り上げて立てました。
5.やっとmy艇の下架。遂に海へ戻ります。
この時アクシデントが・・・・
私が,艇を吊り上げたベルトをクレーンから外した時,船体に引っ掛けていなかったので,
反対側を外してもらった時に海に落ちていったのです。
海中に微妙に見えている青いベルト。でも私のボートフックではちょっと届かない。
でも,海優丸さんの長〜いボートフックでレディバードさんが引き上げてくれました。よかったよかった。
6.2GMのエンジンをかけて,いよいよフォールディングペラが動くかどうかの実験。
まずはバック。動いた。前進も。お〜〜良く動く。フォールディングペラは開いて作動してくれているようでした。Windexを一度舫ってから,皆さんのお手伝い。
7.私の後にロシナンテが下架し,その次から上架の艇にあった船台をセットして,
暖流さん,スピカさん,ダフネさん,犬鳴屋さん,レディバードさんと上架していった。
上架作業が終了は12時過ぎです。
8.アリエルさんと王将に行き,餃子を沢山食べ,ほっと一息。
9.食事後和歌浦に戻り,最後まで残った,ブームのグースネックの取付金具の曲った所を力業で直し,
船内マスト下の配線とマストからの配線を繋いでマスト灯(白灯)の点灯を確認した。
ブームにメインセールをダフネさんの協力でバデンを入れてセッティング。
これで全てのミッションが終了。なんとか元の状態に戻りました。
最終は,ジブファーラーのフォイルにジブセイルが上までハマって上げられるか?
またファーラーが無事にグルグルと回るか?
それらは,また後日です。
つづく
最終話
さて、マストが倒れた原因についてをこれまで言及してきてませんでした。
原因はなんだったのでしょうか???
因みに、これまでWoycのクレーン車を使った上架、下架の作業時にマストが倒れたことはなかったようです(今回の作業に協力のメンバーの知っている限り)
じゃあ初めてなのか???
考えられることをいくつか挙げると
1)バックステイを外したこと
2)Windex[スプレンダー27]のスプレッダーの形状の問題
3)風が強い日だった
4)艇を吊り上げたときの艇のバランス(少し前のめりになっていた)
この中では,スプレンダー27は,バックステイを外すと,スターン方向からテンションをかけているものが何も無い,という艇のリギン類が原因だろう と いうことが有力になりました。スプレッダーから引っ張るサイドステイのテンションはマストの真横に引っ張っていたのです。
しかしこれまでは,私がアルパゴンの時からお手伝いをしていた4年前からバックステイを外しても,マストが前に倒れたことはなかったのです。
では、今回は何があったのか?これまでと違うところは?
一つは,風が強かったこと。吊り上げクレーンのアームが回転したとき,ちょうど後ろからブローが入った。
二つ目は,今年は,ブームからメインセイルを取り外していたこと。ひょっとしてこれまではブームに乗っているメインセイルが一定の重しとなって,微妙にマストが前に倒れないようにバランスをとっていたのかも?
しかし本当に油断でした。
今回の下架するときは,バックステイをつけたまま、クレーン車に引き上げて貰いました。
上手に吊り上げてもらえば,バックステイをつけたままでもクレーンのベルトと干渉しないで吊り上げてもらえます。
次からは,これでやってもらおう。。。。
また,今回のことを教訓に,スプレッダーが真横に開いている艇については,バックステイを外すときには,
どこか斜め後ろに引っ張るロープ類を付けることを考えるようにして作業を進めるようにしていきましょう。
私も次からは対策を考えてクレーンで上げてもらいます。よい経験になりました。
さて本日(3月7日[土]) 和歌浦にて犬鳴屋さんの協力でジブセイルを無事上まで上げました。
またその時ファーラーをグルグルとまわしてセイルを巻き取ったり開いたりできました。
その後,海南黒江まで新しいフォールディングペラで機走で回航しました。
2GMエンジン2000回転でなんと6ノットのスピードがでます。2500回転まで上げると7ノットのスピードが。速い!速すぎ!
しかしスローが2.7ノット〜3ノットのスピードです。ちょっと速いかも?
JOYさんのアドバイスは、「2GMエンジンのスローを調整できるので調整した方が,着岸とかやり易いよ」と
エンジンのマニュアルを調べてやってみよう〜。
でも取り合えず,ペラが落ちたりとか引っかかったりとか無く,無事黒江に到着しました。
良かった良かった。
私のこの上架シリーズもこれにていったんは終了です。
お読みくださって有難うございます。
また今回マストが倒れた件で色々と協力して頂いた皆さん、本当に有難うございました。
Windex阪本